放射線耐性を持つ極限環境微生物 - EUROPA(エウロパ)

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放射線耐性を持つ極限環境微生物

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 「あんな場所に生物が住めるはずがない!」と福島第一原子力発電所を見て思う方も多いでしょう。確かに人間が住むには適さない場所ではりますが、地球上にはそんな場所もものとはしない、恐ろしいほどの放射線耐性を持つ生物が存在します。
 今回は人間が即死するような放射線量下でもたくましく生きる極限環境微生物を紹介します。

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極限環境微生物
 「ここで定義される極限環境とは、ヒトあるいは人間のよく知る一般的な動植物、微生物の生育環境から逸脱するものを指す。ヒトが極限環境と定義しても、本微生物らにとってはヒトの成育環境こそが「極限環境」となりうる可能性もある。

 生物と聞くと、地上や水中など環境は異なるものの、適切な温度で寝たり起きたり、食べたりと常識的な範囲で生きているというのが一般的な考えでしょう。しかし、この常識はあくまで人間としての常識であって、「極限環境微生物にとっては人間こそが極限環境で暮らす生物かもしれない」というのが上記の文章です。

 同じ地球に暮らしながら人間の常識が適用されない、恐ろしいほどの放射線耐性を持った微生物を紹介します。

世界で最も放射線に強い細菌
デイノコッカス・ラディオデュランス

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 「世界で最も放射線に強い細菌」としてギネスブックに登録されているのがこちらの『デイノコッカス・ラディオデュランス』です。一体どのくらい放射線に強いのか?

 単位はグレイ(Gy)でこれはよく耳にするシーベルトと同じように換算できるようです。(1グレイ=1シーベルト) 人間の場合は全身に10グレイ、つまり10シーベルトの放射線量を浴びると死亡率は100%といわれています。大腸菌で60グレイで殺すことができる中、デイノコッカス・ラディオデュランスは5,000グレイを浴びても死滅せず増殖が可能で、15,000グレイ(15,000シーベルト)の線量を浴びても37%は生き残るという研究結果がでています。

脅威のDNA復元能力
 デイノコッカス・ラディオデュランスが放射線に強い理由は、極めて強力なDNA修復機構を所持していると考えられています。通常私たち人間は、ある程度のDNAの損傷については修復することができますが、放射線などによりDNAが数百の断片に切断されると修復することができず死に至ります。しかし、デイノコッカス・ラディオデュランスは別のDNAから必要な部位を見つけコピーすることができ、僅か12-24時間程度で完全に復元します。
 この特殊なDNA修復機構を獲得するに至った経緯は、一説によると乾燥に耐えるたこととされています。放射線に弱い変異株は実は乾燥にも弱くなることが明らかになっています。

缶詰の中にいたデイノコッカス・ラディオデュランス
 1956年、アメリカはオレゴン州、コーバリスのオレゴン農業試験場で食品保存の研究を行っていたA.W.アンダーソンらにより、牛肉の缶詰にガンマ線を照射して滅菌する実験が行われていました。
 しかし、その缶詰を保存していたところ、いくつか腐って膨らんでしまったといいます。直ちに調査を行ったところ、強い放射線に耐える細菌がみつかりました。それがデイノコッカス・ラディオデュランスでした。現在は放射性廃棄物などから金属を回収する用途に利用できるのではないかと期待されています。


おまけ
デイノコッカス・ラディオデュランス、火星の衛星へ
 ロシアが計画している火星とその衛星フォボスの探査計画「Phobos-Grunt(フォボス・グルント)」で、デイノコッカス・ラディオデュランスなど極限環境微生物10種が火星の衛星に送り込まれます。また同時に土壌サンプルを採取し地球に送り返すとしています。同探査機の打上げは2011年に行われる予定です。

Phobos-Grunt (Фобос-Грунт) Sample Return Mission


参考:
デイノコッカス・ラディオデュランス - Wikipedia
極限環境で生きる微生物7選:画像ギャラリー(5/7) « WIRED.jp Archives Gallery
フォボス・グルント - Wikipedia


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