軌道上の人工衛星を分解、再利用 アメリカの「Phoenix」計画 - EUROPA(エウロパ)

軌道上の人工衛星を分解、再利用 アメリカの「Phoenix」計画

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 宇宙空間に残る機能しない人工衛星を分解し、低コストの「通信ファーム」として利用するという「Phoenix」計画がアメリカで動き出したそうです。今回は米国防高等研究計画局が行おうとしているこちらの計画について紹介します。

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何らかの不具合が生じ機能しなかったり、姿勢制御を行うスラスターの燃料が尽きるなどで“ゴミ”として宇宙空間を漂うだけの人工衛星が存在します。このような人口衛星に目を付けたのが、このブログでも度々登場する米国防高等研究計画局(DARPA)です。DARPAはこのような不要になった衛星を宇宙空間で分解し、主にアンテナをを集めアレイアンテナを形成。低コストの通信ファームとして地上軍との交信に利用するという「Phoenix」計画を今後行うとしています。

米国防高等研究計画局(DARPA)
DARPAは軍隊使用のための新技術開発および研究を行うアメリカ国防総省の機関で、主な活動は最先端科学技術の速やかな軍事技術への転用である。全地球測位システムのGPSを開発したことで知られている。


DARPAは6月の後半に商用衛星の所有者向けに文書を公開しました。そこには計画の技術要件の初期評価を行うために宇宙で「候補衛星」を募集しているという内容だったようです。DARPAとしては、2015年までにPhoenixの実証実験を行いたいらしく、2012年6月26日には、「持続可能な衛星整備」に関するカンファレンスが開催されています。学者、民間企業、軍事専門家が出席し、規制の課題から、より技術的な「作戦上の検討事項」まで、機能停止した人工衛星を生き返らせるために必要なあらゆる事柄についての議論が行われたといいます。

では具体的にどのような流れで人工衛星を分解し通信ファームを構築するのか動画を紹介します。

DARPA Phoenix Program


Phoenix計画では、いわゆる墓場軌道と呼ばれる静止軌道よりも200~300kmよりも高い軌道に機械式のアームが付けられた整備衛星を打ち上げます。その後、「Satlet」と呼ばれるアンテナを特定の方向に動かすことができる小型衛星を搭載した衛星を送り込み、墓場軌道で整備衛星にSatletを渡します。整備衛星はSatletを抱えつつ、故障した衛星に向かい、主にアンテナを取り外しSatletを取り付け放出。複数個の「衛星アンテナ+Satlet」を並べ通信ファームを構築します。

墓場軌道
役割を終えた人工衛星が別の使用中の人工衛星と衝突を防ぐために移動する、同期軌道よりも高度の高い軌道のこと。静止軌道と地球同期軌道(地上上空約36,000km)よりも更に2,3百キロメートル上空にある。多くの人工衛星は役割を終える時、スラスターを使い墓場軌道への移動が試みられるが、この操作に成功するのは3分の1程度である。
米国では連邦通信委員会から衛星通信サービスのライセンスを受けるためには、2002年3月18日以降に打上げた全ての静止衛星は、運用寿命の末期に墓場軌道への移動が求められている。


このシステムを構築するためにDARPAは既に、ノースロップ・グラマン社の子会社であるNovaWurks社に250万ドルの資金を提供しているとのことです。

参照元:WIRED.jp


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