打ち上げ後、滑走路に着陸する補助ロケット - EUROPA(エウロパ)

打ち上げ後、滑走路に着陸する補助ロケット

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 打ち上げられた後、本体から切り離され投棄される補助ロケット。過去、旧ソ連時代に開発されたもので補助ロケットに『翼』が搭載され滑走路に戻ってくるよう設計されていたものがあるのは存知でしょうか。

滑走路に着陸する補助ロケット
 近年打ち上げられるロケットには本体にくっ付く形で補助ロケットがついていますよね。補助ロケットとは文字通り宇宙空間へ打ち上げるロケットを補助するもので軌道上に投入する重量を増加させることができるため、多くのロケットで採用されています。

 基本的にこれら補助ロケットはロケットが上空にうちあげられる過程で分離され海上もしくは陸上に投棄されます。過去、スペースシャトルの打ち上げに使用した固体ロケットブースターはパラシュートを使用し海上に着水、回収され再利用されていましたがこれは非常にまれなケースで先程も紹介したように投棄されるのが一般的です。

 このように補助ロケットは「使い捨て」と「再利用」の2つの方法があるのですが、変わった再利用の仕方として補助ロケットに飛行機のような翼とエンジンが付き滑走路に着陸するというものが過去に設計されていたことがあります。

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 こちらがその補助ロケットなのですが後部にはロケットを補助する大型のロケットエンジンがあり、胴体には折りたたみ状態から展開される翼と着陸装置。そして滑走路までの帰還に必要なジェットエンジンがついているという今で言う『ドローン』のような形状をしています。どのような名前がついているのかは分かりませんが、過去、ソ連時代にエネルギアが設計・製造されいた時代にこのような補助ロケットの構想がありました。
 この補助ロケットの使用が想定されていたのはエネルギア2、通称『ウラガン』(Энергия II (Ураган))という派生型ロケットで完全再使用型を目指した打ち上げ機でした。

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 こちらがウラガンの全体像です。打ち上げ機はスペースプレーンとなっておりもちろん再利用可能で衛生分離後はボディーサイズを縮小できるというとても珍し設計がされていました。

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エネルギアII(ウラガン)のCGイメージです。先端に収められた衛生を放出した後はボディーサイズを縮め地上に帰還するという計画でした。

参考:Animation of the Energia's block A trajectory

 しかし、ソ連の崩壊でこれらエネルギアシリーズはすべて計画が中止となったものの、実は補助ロケットの構想と開発されたロケットエンジンのみがかろうじて生き残りました。

バイカル・ブースター
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 2001年7月に開催されたパリ航空ショーに登場したのは実物大の『バイカル』のエンジニアリングモックアップです。見ての通り、ソ連が過去に設計した再使用可能な補助ロケットと同じ構想となっており、仕様としてはケロシンと液体酸素を燃焼して約200トンの推力を生み出すRD-191エンジン1機が後部を搭載し展開可能な主翼。補助ロケットの頭付近には戦闘機用に開発されたRD-33ジェットエンジンが搭載される計画です。この補助ロケットはロケットから切り離された後、旋回飛行をしつつ速度を落しジェットエンジンを始動、動力飛行しながら航空機のように滑着陸します。

 この補助ロケットは2010年段階においても開発が終わっていないとされているのですが、仮にバイカル・ブースターを使用した場合、使い捨て型に比べ打ち上げ重量あたり打ち上げ費用は25-50%削減できるといわれています。ちなみにこのバイカル・ブースターはロシアが開発を目指す新型国産ロケット『アンガラロケット』の補助ロケットとして将来使用される可能性が高いとされています。

参照元:"АНГАРА" - "БАЙКАЛ"Б.И.Губанов. Триумф и трагедия «Энергии» глава 41Wikipedia
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