NASA仕様の無人機偵察機が見た地球の姿 - EUROPA(エウロパ)

NASA仕様の無人機偵察機が見た地球の姿

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 アメリカが開発した高高度滞空型無人偵察機グローバルホーク。主に軍事用に使用されている無人偵察機ですが、実はNASAも同様の機体を保有しており様々な気象観察に利用されています。

 NASAは以前から異常気象や気候変動の調査に無人機を利用しており、2009年にはアメリカ空軍から引き継いだ偵察機グローバルホーク2機を改修し現在運用しています。グローバルホークは高度約1万8000メートル付近を、30時間にわたって偵察(観測)できる能力があります。NASAは空軍仕様の偵察機から、気温や湿度、雲の構造や厚み、エアロゾル、砂ぼこりの量などを調査する各種レーザー計測器、また数千メートル上空からパラシュートを付けた小型気象観測器を投下するドロップゾンデを装備するなど特殊仕様に改修しました。

HS3ミッション

補足:2010年9月16~17日、グローバルホークを使用しハリケーン「カール」を観測した時の映像。

 NASAの地球科学プロジェクトで気象調査を指揮するラメシュ・カカール(Ramesh Kakar)氏は、「有人機では到達できない領域の観測が可能になる」と話しています。NASA仕様のグローバルホークは現在「HS3」というハリケーンの一生を観測するミッションに利用されており、無人偵察機で集めたデータは、雷雨やサハラ砂漠から運ばれてくる砂ぼこりが及ぼす影響の調査に役立てられるとのことです。

グローバルホークを操縦するパイロット
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写真:グローバルホークの地上操縦室 操縦を行うのは奥の白い椅子に座る2名

 一般に使用される航空機とは異なる為、グローバルホークを操縦する専門のパイロットがミッションに参加してます。実際には2名のパイロットにより運用されており、ハリケーン「ナディーン」の観測ミッションで操縦を務めたのはケント・フラー氏。元アメリカ空軍パイロットで戦闘機から民間航空機まで操縦できるという経験豊富な方のようです。

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 ケント・フラー氏によると、民間航空経路でグローバルホークを離着陸させる場合は、追尾する有人航空機が必要とのことです。これは混み合った空域でも安全に飛行させるための“目”の役割を担う為であり、一定の高度に達した後は単独飛行に移行します。

 NASAによる熱帯低気圧の一生を記録する取り組みには、米国海洋大気庁(NOAA)や無人機メーカー、ノースロップ・グラマンも協力しています。今後、観測結果からハリケーン被害や避難に関連する損失の減少につなげたいというミッション責任者のスコット・ブラウン氏は述べています。

Global Hawk

Global Hawk Arrival

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補足:機首にはクラウド物理ライダー(CPL)というレーザー観測機器が装備されています。

参照元:ナショナルジオグラフィックNASA
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