チェス王者、スパコンに発生したバグで負けていた - EUROPA(エウロパ)

チェス王者、スパコンに発生したバグで負けていた

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 今から15年前。チェスの世界王者とスーパーコンピューターがチェスで勝負するという企画が行われました。結果はスパコンの勝利だったんですが、実は思いもよらぬ出来事から勝利していたことが明らかになりました。

スパコンの洗練された動き
 「ありえない」「考えられない」と表現するかのように両手を広げながらその場を後にするチェス王者…。1997年5月、IBM製スーパーコンピューター「ディープブルー」が当時チェスの世界王者だったゲイリー・カスパロフ(ロシア)と対戦し勝利するという出来事がありました。カスパロフ氏は勝負前に「コンピューターに負けることなどない」と豪語していたそうなんですが、どうしてこのような結果になってしまったのでしょうか。

 敗北した理由について、カスパロフや他のチェスの名手らはスパコンが考え出したある一手にあるとしています。「あれは信じられないくらい洗練された動きだった。守りを固めながら、同時にその後反対の動きをすることを微塵も悟らせないようなものだった。そして、それがカスパロフを混乱させた。」とチェスの名人、ヤセル・セイラワン氏は述べています。
 そのようなことから、当時スパコンが行った一手について「人間の介入があったのではないか」とカスパロフ氏本人やその他名手がほのめかしていたそうです。

実は…
 あの歴史的な対戦から15年が経過した2012年。ディープブルーの設計に携わったあるエンジニアは、あの動きがバグのせいで生じたものだったことを明らかにしました。ネイト・シルヴァー氏は著書『The Signal and the Noise』を書くにあたって、ディープブルーの設計にかかわっていたマーレイ・キャンプベル氏に取材を行いました。同氏によるとあの時ディープブルーは次の一手を選択できず、単にランダムに手を打ったものだったのです。

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スパコンとの勝負ついて
 多くのチェスの名手らはスパコンとの勝負について、カスパロフ氏は大きなハンディキャップを背負っていた、つまりフェアな勝負ではなかったと主張しています。要は、スパコン側はカスパロフ氏が行たすべての戦い方、戦略を知った上でプログラムを作り、またそれぞれの対決の間にプログラムを書き換えることが許されていたということです。(スパコンは2勝1敗3引き分けで王者に勝った)
 これについてIBM側はディープブルーのアルゴリズムに手を加えたことは事実とするも、実際に行っていたのはバグの修正でした。ディープブルーが前の試合と同じ間違いをしないようにバグを修正していたものの、見落とされたバグが原因で結局ディープブルーに勝利をもらたしたということにつながりました。

 カスパロフ氏本人は対局後のインタビューで人が介入したなどの陰謀説を多くをほのめかしているものの、決定的なことは何も語らなかったとされています。

参照元:WIRED.jp
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