米、核融合インパルスロケットエンジンを開発中 - EUROPA(エウロパ)

米、核融合インパルスロケットエンジンを開発中

6790.jpg

 広い宇宙空間を移動するにはスピードが重要ですよね。そんなことで米アラバマ州の大学では“核融合インパルスロケットエンジン”という次世代の推進エンジンを開発しているとのことです。

 核融合インパルスロケットエンジンと言葉を聞いたところで何なのかよくわかりませんが、アラバマ州ハンツビル校の航空宇宙エンジニアというロスコルテスさんはこのように説明しています。
 核融合インパルスロケットエンジンは核融合技術の応用したもので、Zピンチ核融合と呼ばれる技術が使われています。核融合燃料は重水素とLi6(リチウム同位体)の結晶構造、インパルス駆動でこれら燃料が核融合することで結果的に推進力を生み出すことができるということのようです。…わかりましたでしょうか。

 ちなみにこの核融合燃料は映画スター・トレックに出てきたダイリチウム(記号 Dt 原子量87 共有結合した2つのリチウム原子)に似ているそうですよ。

6789.jpg

 2030年までにエンジンを開発することが目標で、仮にこのエンジンが搭載された宇宙船が誕生すると、これまで最短でも8ヶ月かかっていた火星への航行はわずか3ヶ月に短縮できるとしています。計算すると、平均速度はは26万キロ/h(秒速72km)になるそうです。すごい速さですね。

 …という感じなんですが、ここで終わるのも寂しいので、過去に計画・構想された宇宙船で恒星間航行が可能とされたものについて紹介していきましょう。

オリオン計画
 アメリカで1950年~60年代にかけて原子力推進宇宙船の研究開発が行われていました。計画では宇宙船の後方で核分裂または核融合を発生させその衝撃を宇宙船が受け止めることで加速させるという仕組みです。

6731.gif


補足:同じ原理で推進力発生させる原子力推進宇宙船

 フリーマン・ダイソン高等研究所名誉教授によると、この宇宙船を使用すると一度のミッションで大規模で恒久的な月面基地を建設できるとしています。また、2万トンほどの重量の積載できる宇宙船に数百人が暮らす環境を整えたうえで40万トンの宇宙船を設計し宇宙船を1Gで10日間加速させれば、光速の30分の1(秒速1万km)に到達させることも可能だとしてます。結果、太陽系から最も近い星系アルファ・ケンタウリ(4.37光年先に)140年で到着できる計算になるそうです。

 しかし、1963年の部分的核実験禁止条約の影響を受け、計画は終わりを迎えました。

ダイダロス計画

6788.jpg
画像:エンパイア・ステートビルとダイダロスロケットのサイズ比較

 ダイダロス計画とは英国惑星間協会が1973年から1978年にかけて行った恒星間を航行する原子力推進宇宙船の研究です。ダイダロスロケットは電子ビームによる重水素/ヘリウム3をレーザー核融合させ、そこから生じたプラズマをノズルから排出することで加速させます。核融合により100億kW、馬力換算で136億馬力と桁違いな出力を発生させ、約4年間の加速を行えば光速の12%まで達することが可能とされていました。


補足:ダイダロスロケットは2段構成になっており、1段目のプラズマ排気速度は10,600,000m/s、2段目は 9,210,000m/sとなっています。

参照元:Fellow GEEK
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
Copyright © EUROPA(エウロパ) All Rights Reserved.