炭素繊維の不正輸出とアメリカで逮捕された中国人 - EUROPA(エウロパ)

炭素繊維の不正輸出とアメリカで逮捕された中国人

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 先日、クレハの子会社「クレファイン」が中国に炭素繊維を不正輸出していたとして当局の捜査が行われました。今回はこの事件の内容と、最近アメリカでおとり捜査により逮捕された中国人についても紹介します。

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 クレハの子会社「クレファイン(合成樹脂メーカー)」は静岡県内のベンチャー企業を経由し最新鋭旅客機「ボーイング787」にも使用されている炭素繊維を入手し中国へ不正に持ち出していたとし捜査が入りました。捜査関係者によると、戦闘機の機体に転用するため、東レの最先端の炭素繊維を入手するよう、クレファインに依頼していたといいます。

 しかし、クレファインは東レと取引実績がなかったため、とあるベンチャー企業を経由し、炭素繊維約2トンを2千万円で入手するように依頼したといいます。依頼を受けたベンチャー企業は東レに対し「工場で生産する水素発生装置のボディーに使う」など虚偽の説明を行いサンプル約1キロを確保。その後、2009年8月にクレファインに渡り中国に渡ったという経緯のようです。

アメリカで逮捕された中国人
 実は炭素繊維をアメリカから中国に不正輸出しようとしていたMing Suan Zhang容疑者が、2012年9月26日米国当局のおとり捜査により逮捕されています。
 ニューヨークタイムズが報じた内容よると、Zhang容疑者はおとり捜査員に対し「炭素繊維は2012年10月5日に行われる中国の新しいジェット戦闘機のテスト飛行に必要な素材だ」と語っていたといいます。また、告発状によると密輸計画は2012年4月25日に始まったとされ、7月中旬におとり捜査官と電話で話をした際に、Zhang容疑者と共犯者のJohn Doeは「日本からカーボンファイバー(炭素繊維)の入手が難しい」と述べ、米国で新しい売り主を見つけたことについてもDoeが言及しています。

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写真:2012年9月中旬にリークした中国のステルス戦闘機(J-31)と思われる機体
(参考:新型ステルス戦闘機(J-31)の写真流出―中国)

 2011年12月7日、共同通信が報じた内容によるとクレファインから中国側に渡った炭素繊維は3枚(60万円相当)とされています。それにもかかわらず「日本からのカーボンファイバー入手が難しい」という言葉が出てくるのは、密輸されたものが満足のいく製品ではなかったことが想像できます。事実、東レは「詐欺行為の被害に遭ったことは把握しているが、商社が中国側に対し、低品位の炭素繊維を最先端のものと偽ったのではないか」と社内調査を行った上で説明しています。

参考:MSN産経ニュース


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